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あるネコの悲劇

わしの名前はトントン。
今年で齢16を迎えるじじいネコだ。人間で言えば90過ぎにもなるかのぅ。

わしの日課は、食べて、寝て、マッサージしてもらって、また寝て、食べて・・・毎日ゆるやかに時が過ぎていき、残り少ない余生を平和に暮らしておったのじゃ。
・・・そう、あやつがくるまでは。

あやつの名前は「たろう」とかいうらしい。
あやつの前では飼い主のじぃじばぁばもなんだかテンションがあがっちまって別人のようじゃ。
あやつがくるまえは、じぃじの膝の上は、わしの定位置じゃった。
いつもやさしくマッサージしてくれたもんさ。

ところがあやつがきてから、いつもじぃじのひざの上には「たろう」がおる。
それどころか、おとなどもときたら、あんな得体の知れない生き物をわしのそばにつれてきて、わしにさわらせようとするんじゃ。
ブルブル。
想像しただけで身の毛がよだつわい。

しかもいちばんひどいのはねぇねだ。
ねぇねは「たろう」っていうあの生き物の「おかーさん」とかいうやつになってかえってきおった。
おかーさんっていうのは、おっぱいをあげたり、おしっこやうんちの世話をしたりする役割らしいが、いぜんはあんなにやさしかったねぇねが、今はたろうってやつの言いなりだ・・・。
そんでいま「だんにゅう」とかってたろうに乳をやめさせる訓練をしておるらしいのだが、たろうがぐずると、わしのところへ連れてきて「ほら、たろうの好きなにゃんにゃんだよぉ~」と言いながら、あの得体の知れない生き物をわしに近づけるのじゃ。
ブルブル。

昨夜なんて、あんまり風呂場でたろうが泣くもんで、わしがふろばへ連れて行かれた。
わしは水が大嫌い。風呂場なんてもってのほか。
だからたろうよりでかい声でぎゃおぎゃお泣いてやったわ。
ねぇねはさすがにすぐはなしてくれたけど、いやほんと、あやつがきてからみんな変わっちまった。
わしの寿命も確実に半年は縮まったがな・・・。

ああ、きょうも「にゃぉんにゃぁん」というわしの鳴き声をまねしているらしいやつの声が聞こえてきおった・・・。
わしの安穏の日々はいつもどってくるのじゃろうか・・・ ( ´o`)フウッ

by chiezou192 | 2006-02-18 11:36